上智学院のロールモデル集も第12集を数えるまでになりました。このロールモデル集は、2011年度から、ダイバーシティ推進室の前身である男女共同参画推進室が企画・発行してきたものです。当初は女性研究者支援事業の一環で「女性研究者ロールモデル集」として発行し、第1集から第3集は、「輝くSophia女性研究者」とサブタイトルがついていました。これらの小冊子は、今読んでもとても興味深く、それぞれご苦労されながら研究者としての道を切り開いていらした先生がたの生き様を伝えるものですので、現在の学生たちにも是非目にしていただきたいものです。第7号からはダイバーシティ推進室が継承して発行を続けています。ダイバーシティ推進室になってからは、さまざまな領域で“For Others, With Others”を心の中軸として活躍している/いた教職員や卒業生に焦点を当てるという形で発展を遂げて参りました。今号はサステナビリティ推進本部の学生職員に関わっていただきましたが、これを通して、上智大学の精神が継承されていくと良いと思います。さて、この第12集では、再び女性、しかも日本では未だ数が少ないリーダーとしての女性にスポットライトを当てています。筆頭に挙げられているのは、緒方貞子先生です。私の学生時代にも、上智大学には学生が憧れる女性教員が何人もいらっしゃいました。緒方先生はその筆頭です。目黒依子先生も、鶴見和子先生も、研究も授業も迫力があり、ご自分の個性を際立たせるお洒落も楽しんでおられるようにお見受けし、性別を問わず人気のあった先生がたでした。ただ、活躍していた女性教員の周囲にも目を配る必要があると思っています。私は、学生時代から今日に至るまで、他の先生がたにも、「黙っていなさい」「遠慮しなさい」などとは言われませんでしたし、性別を意識して働かなければならないことはなかったように思います。単に私が恵まれていたのかもしれませんが、私にとっての上智大学は、自分が正しいと思うことは、性別や職位、職種を問わず自由に発言すれば、それについて議論をすることが可能な大学であると思っております。また、そうであり続けたいと願っています。外からの圧力は排除する必要がありますが、このロールモデル集が、それぞれの心の内側にもあるストッパーを外す一助になれば幸いです。2
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