ダイバーシティ推進室は差別のない社会や共生社会を構築していくための積極的取り組みを行う組織です。上智学院はいち早くそのような取り組みを進めています。特に上智学院の女性を対象とした取り組みは既に評価されており、ロールモデル集でも女性のロールモデルを取り上げてきましたが、最近では文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(調査分析)」のプロジェクトとも協力しており、女性のリーダーシップにフォーカスしていることから今回のロールモデル集では幾人かの上智の女性リーダーに特化して取り上げることにしました。教育研究の現場である上智学院は多様性を受け入れ、すべての学習者を包含することによって公平性を追求しています。それは同時に公平性を追求する教育と研究を行い、すべての人々の貢献を認めるキャンパスと社会を作ることです。多様性のための教育とは、学内外におけるさまざまな違いを認めることであり、インクルージョンを教えるということは、違いを受け入れることを意味します。これらの取り組みは私たちの考え方、学び方、行動の仕方等の違いを超え、場合によって私たちの考えを変え、公平さや正義をもって扱われるようにしなければなりません。これらのアイデアは互いに補完し合い、同時に取り組むことですべての学生の教育機会、すべての教職員の働く機会を強化することになります。「他者のために他者とともに」の教育精神は「公平性のための教育」でもあります。公平性の追求にダイバーシティの精神とインクルージョンの積極的な実践は欠かせません。教育について考えると大学はますます多様化しており、人口統計学的にこの傾向が続くことは確実です。多様性とインクルージョンは、教育と学習を改善します。また、ジェンダーの多様性を意識しながらも日本社会の女性の置かれている状況や上智大学の女性研究者、女性リーダーへの期待は大きいことも確認し、今回のロールモデル集を手に取っていただきたいです。執筆者と編集者の皆さんに心からの感謝をいたします。1
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