何パーセント女性リーダーがいればジェンダーバランスに近づくでしょうか。勿論海外の先進国でも「ガラスの天井」という現実もまだありますが、意識的に「クォータ制」を推進したり、女性リーダーの働きやすい環境を工夫したりして、一歩ずつジェンダーバランスを目指しています。日本ではまだそのような決心が見えません。実務上の大変さは、研修のないままの舵取りですね。明治時代の「大学人」は、学問・教育のみではなく、政治、経済、ガバナンスなどに携わって大学を運営しましたが、現代の学者・研究者の私たちは、大学の運営についてのトレーニングも経験もなく、そのままリーダーになってしまったのです。まるで船の構造や運航を知らないままにいきなり航海を命じられたようですね。できれば任命するまである程度研修があれば着任してからの難航や過ちも減少できるでしょう。女性には女性ロールモデルやメンターが少ないため、試行錯誤・手探りしながら任務を遂行することも多いです。日本だけではなく、世界的にリーダーとは男性という固定観念にとらわれている人たちが多いです。男性リーダーに対する“decisive”(決断力ある)、“assertive”(積極的)、“reliable”(任せられる)というポジティブな評価をする一方、類似した決断、行動を取る女性リーダーに対して、“authoritarian” (独断的)、“bossy” (偉そうな)、“aggressive”(アグレッシブ)、“conservative”(保守的)というネガティブな評価がよく見られます。女性リーダーへ対する偏見や厳しい評価は残念ながら古今東西あまり変わらない状況もあるようです。女性リーダーに対する無意識の思い込みや偏見がなくなるよう皆の意識改革も大事ですね。良かったことも沢山あります。信頼されること、試されること、困難を乗り越えて人に役立つことなど、私にとってチャレンジであり、試練であるので、自分の成長とやり甲斐を感じます。何より価値観を共通する教員や職員たちと共に働くことはとても楽しいです。学者の仕事は常に一人ぼっちですが、大学の仕事は皆と一緒にできるから心強いです。時間の区分は大切ですね。働く時間の中にも、教育・研究・行政を自分なりに区分して、バランスを取ります。他には家族の時間、自分の時間、遊ぶ時間、休憩の時間もできる限り守って、健康を維持します。行き詰まった時、躓いた時、批判された時には、一歩さがって事情や感情を整理して再出発します。失敗があれば反省して謝ります。どんな大変な時にも、常に自分を支えてくれる家族や人たちを思い出せば、立ち直ることができます。気分転換の方法ですか?愛犬のチャーリーと自然の中で散歩すれば、ストレスが吹き飛びます。スのあるリーダーシップの層をともに構築できれば嬉しいです。女性リーダーになるために男性のようである必要はありません。青い花畑に、たくさんの白い花を咲かせて次世代の学生・研究者・教育者・大学人のために、より良いジェンダーバランより多くの女性が男性のようになるよりも、より多くの男性が女性のようになる方が良い。それは私のささやかな希望です。愛犬チャーりーとの散歩30リーダーになって大変だった点と良かった点ストレス解消や気分転換の方法
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