テレオタイプのない状態で生きる快適さを実感しました。それまで皆無だったリーダー的立場に推薦されることがとても多くなり、これぞマジョリティ特権だと感じました。つまり、自分について多くを証明しなくても、自動的に信頼され、好意的に捉えられるといった特権です。一方で、ある学生が「自分はリーダー気質ではないので、裏方でサポート役に回るのが向いている」と、自分のキャリアを制限しようとしているのを聞いた際、私もかつてはそのように考えていたことに思いあたり、チャレンジする前から扉を閉ざすのはとても残念に思いました。今では「リーダーシップとは、場数を踏めば誰でも自ずと身につくものなのでは」と考えるようになりました。女性が場数を踏むには、リーダーとなる機会が女性に与えられなくてはならない、と。私が尊敬するアメリカの政治家、ステイシー・エイブラムズが『Lead from the Outside』という著書の中で「リーダーとは、難しい選択をしたことの結果を引き受けることを厭わない人たちの中から頭角を表す」と書いていて、そういうリーダーになりたいと思いました。彼女は、リーダーになるためにまず乗り越えなければならない壁は、内面のFear(恐怖心)だと言います。恐怖心こそが敵であり、自分が行動しない理由を作り、麻痺させてしまう、と。「できるわけない」という自身の声や、失敗して傷つかないよう、よかれと思って引き止めてくれる周りの声にどう潰されないでいられるか。心の中の不安を自分自身で無視する勇気が必要だと彼女は書いています。実際、リーダーに就いたときは、私自身、恐怖心や自信のなさとの戦いの連続でしたし、今もそうです。ただ、自分の強みを生かすことは誰でもできます。私は人と直接会って話をし、対話の中で意思疎通を行い、関係を構築していく過程が大好きで、それが自分にとってかけがえのない時間なのだと分かってきました。なので、皆と一緒に同じ目標に向かっていくのは本当に楽しく、築いた関係性によってエネルギーをもらって頑張れるタイプのリーダーかなと思っています。ストレス解消法は、自分の中に貯めておかず、信頼のおける友人にとにかく聞いてもらって整理してもらいます。そうすると話し終わった直後に心が軽くなっていることを実感します。やっぱり誰かに話すだけでこんなに心が軽くなるんだと周りの人のありがたさが身にしみる瞬間です。あとは呼吸を意識します。以前マッサージ師に「呼吸が浅い」と指摘され、腹式呼吸の指導を受けるようになりました。どんなに忙しくても毎朝5分は呼吸法の実践を心がけています。体の力が抜けやすくなり、リラックス効果で全体的に体調がよくなったので皆さんにもオススメします!他者とともに社会変革を担うリーダーになっていただきたいと思います。誰もが教育を受けられるわけではありません。上智大学で教育を受けたという特権を、社会をより公正なものにするために使ってください。アメリカで学んだ先生方を招いてのソフィアシンポジウム(2017年)10ストレス解消と気分転換の方法
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